Letter 細胞:自然融合による分化能力の変化 2002年4月4日 Nature 416, 6880 doi: 10.1038/nature729 最近のいくつかの報告では、哺乳類の1つの組織に存在する幹細胞にも、他の組織や臓器に見られる分化細胞を生じる能力があるとされている。ここでは、中枢神経系の前駆細胞から神経以外の細胞が生じる機構を明らかにする。マウスの脳からとった細胞を、多能性の胚性幹細胞と共培養した。脳細胞だけがもつ遺伝子導入マーカーを目安に選択した後、脳細胞ゲノムの後成的な再プログラム化が起こった非分化幹細胞が得られた。しかし、これらの細胞には、胚性幹細胞由来の遺伝子導入マーカーと染色体も存在した。つまり表現型の変化は、脳が胚性幹細胞へと直接変化したために起こったのではなく、融合細胞の自発的発生によっている。融合した4倍体は、キメラの複数の細胞系列になるなど、完全な多能性を示す。組織幹細胞の本質的可塑性によるものとされている多くの観察結果は、細胞融合の結果起こった決定転換によるものである可能性があると考えている。 Full Text PDF 目次へ戻る