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遺伝:シロイヌナズナの同系交配のコスト

Nature 416, 6880 doi: 10.1038/416531a

集団遺伝学においては、各種機能を担う種々の遺伝子の選択強度がゲノム全域にどう分布しているかを推定する試みが長い間なされてきた。最近になってDNAの塩基配列決定法や解析技術が集結されるようになり、これが可能になった。重大な進展が得られたのは、同一種内の遺伝的多様性(多型)と異種間の固定された差異(分岐)の比較からである。これらの手法は、選択の証拠として個々の遺伝子を調べるために用いられた。今回我々は、種の分岐以降の経過時間が、遺伝子全般のデータの組み合わせを可能にするという事実を利用した。シロイヌナズナ属の種どうしでのアミノ酸置換と、ショウジョウバエ属の種どうしでのアミノ酸置換とを比較したところ、ショウジョウバエでは有益な遺伝子置換が優勢だったが、シロイヌナズナでは有害な遺伝子置換が優勢なことを示す証拠が得られた。我々は、この違いが、部分的な自家受精というシロイヌナズナの交配機構によるものであり、このことにより、高頻度の同系交配を行う種は有効な集団の大きさが小さくなるため有害変異を効果的に排除できないとする、集団遺伝学理論の予測が実証されると考える。

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