Letter

地球:地殻内おける非生物的なアルカン形成による全球的炭化水素貯蔵庫の微量源

Nature 416, 6880 doi: 10.1038/416522a

天然の炭化水素化合物は主に有機物の熱分解(熱発生)か、微生物のプロセス(微生物起源)により形成される。しかし、東太平洋海膨の熱水噴出孔や他の地殻内流体でメタンが発見されたことは、非生物的な炭化水素化合物の発生源が存在する説を支持している。このような非生物起源炭化水素の一部は、マグマ炭素の高温度での再均衡化によって形成されているが、地殻における岩石―水相互作用(例えば蛇紋岩化作用やフィッシャー―トロプシュ合成等)により形成された炭化水素が大半を占める。非生物起源炭化水素が経済的に意味を持つ炭化水素貯蔵庫に大きな寄与を成しているとする説を確かめることは、非生物起源と熱発生の炭化水素に対する炭素同位体の特徴が不確定なこともあって困難であった。本稿では、カナダ盾状地の結晶岩中で得られた非生物起源のメタンと高次の炭化水素の炭素および水素同位体解析を用いて、非生物起源と熱発生の炭化水素を明確に区別できることを示す。C1-C4アルカン系列に見られる段階的な同位体の傾向は、メタン前駆体の重合により炭化水素の形成が行われたことを示している。経済的に有意義なガス貯蔵庫の同位体の特徴にはこのような傾向が見られないことを考えると、全球的に有意義な炭化水素の非生物発生源が存在する可能性は排除することができる。

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