Letter 物理:高電位障壁をトンネルする分数電荷をもつ準粒子のバンチング 2002年4月4日 Nature 416, 6880 doi: 10.1038/416515a 分数量子ホール(FQH)を示す準粒子の電荷を測定するのにショット雑音の測定値が使われてきた。通常では無雑音の準粒子の流れにショット雑音を生じさせるには、その経路に障壁をおいて、弱い後方散乱を起こす。測定されたショット雑音は準粒子の電荷に比例する。たとえば、充填率ν = 1/3では、q = e/3に相当する雑音が発生する。障壁の不透明度が増加するにつれて、測定される電荷も単調に増加して、漸近的にq = eに近づく。したがって、電子あるいは3つの準粒子のバンチだけが、無雑音の準粒子流が遭遇する高ポテンシャル障壁を通してトンネルできると考えられていた。今回、FQH試料内のe/3準粒子と強い障壁の相互作用を調べたところ、強い後方散乱の極限域における準粒子のバンチングは、その準粒子流の平均希薄度に依存していることを発見した。非常に希薄な流れに、バンチングは全くなくなり、移行電荷は、q = e/3に近づく。この意外な結果は、個別の準粒子に対しては不透明だと考えられていた高電位の障壁を通して、個々の準粒子がトンネルできることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る