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Cover Story: 喫煙のシグナル:ニコチン嗜癖と糖尿病リスクの増大をつなぐニューロンのフィードバックループ

Nature 574, 7778 (2019年10月17日)

喫煙は2型糖尿病のリスクを劇的に高めるが、こうした効果の根底にある機序はまだよく分かっていない。今回P Kennyたちは、ラットでは、ニコチンによって活性化される脳内のニューロンと、膵臓による血糖調節を結び付けるシグナル伝達回路を、転写因子TCF7L2が媒介していることを明らかにしている。著者たちは、脳の内側手綱領域のニューロンに発現するニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)がニコチンによって活性化されると、膵臓によるグルカゴンとインスリンの放出だけでなく、ニコチンに対する有害な応答も生じることを示している。この結果、血糖レベルが上昇し、糖尿病の発症リスクが高まる。さらに、血糖レベルの上昇は、内側手綱領域のニューロンが発現するnAChRを抑制することによってフィードバックループを生み出し、喫煙に対する有害な応答を妨げるため、ニコチン嗜癖が強くなるのを助ける。TCF7L2は、シグナル伝達回路全体を変化させるので、ニコチン嗜癖と糖尿病リスクの増大とを結び付けている。

今週の目次とハイライト

The Nature Top Ten

バックナンバー

Nature 創刊150周年記念特集

150 years of Nature anniversary articles

Nature ダイジェスト 2019年10月号

Nature の創刊号は、1869年11月に発行されました。Nature の歩みから、科学の発展と、社会における科学の役割の変遷を知ることができます。Nature では創刊150周年を記念し、Nature と研究コミュニティーの過去、現在、未来を俯瞰できる特別記事をご用意しております。その日本語要約をお届けします。

科学者自身の手で種をまこう

Nature ダイジェスト 2019年9月号

研究者の専門知識は研究室以外の場所でも必要とされていると、渡辺正夫・東北大学大学院教授は話す。植物遺伝育種学の第一線で活躍する渡辺氏は、2005年から小学校や高校を中心に出前授業を行い、2018年12月には1000回を数えた。渡辺氏に、研究者によるアウトリーチ活動の意義について聞いた。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

Nature 著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature
 混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature
 “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

その他のNature 著者インタビュー

Nature注目のハイライト

その他のハイライト

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ネイチャー・リサーチが主催するサイエンスカフェです。グローバルな視点から様々な分野のサイエンスについて、カジュアルな雰囲気の中、一緒に語り合います。

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