Nature

Natureの表紙

Cover Story: 変わりゆくクローン:遺伝進化ががん細胞株の薬剤応答を変える仕組み

Nature 560, 7718 (2018年8月16日)

表紙は、斜面を転がり落ちる多数のビー玉である。これらのビー玉は細胞株を表現しており、一見すると全てよく似ているが、詳しく見ると、斜面の下の方にあるものほど、ビー玉の内部パターンが変化していることが分かる。これは、T Golubたちが今回見いだした結果を反映している。彼らは、がん細胞株を調べ、これらの細胞株「系統」は、クローン性とは程遠く、ゲノム変化、遺伝子発現プロファイル、増殖速度、薬剤応答性に違いが見られ、その全てが遺伝的および転写的な進化の結果生じていることを示ししている。今回の知見は、そうした細胞株を用いるがん研究に影響を及ぼす。また、著者たちは、細胞株の分岐の評価に役立つCell STRAINER(https://cellstrainer.broadinstitute.org)というオンラインツールを作り、公開している。

Nature 著者インタビュー

柳沢 正史氏

混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

“ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

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