Article

動的相反性に起因する非線形光アイソレーターの限界

Nature Photonics 9, 6 doi: 10.1038/nphoton.2015.79

集積シリコンフォトニクスデバイスが要求されていることから、オンチップ集積システムの分野で光アイソレーターへの関心が高まっている。このため、最近の研究では、非線形光アイソレーターが検討され、波を順方向または逆方向に注入した場合の非相反的透過コントラストが実証されてきた。しかし、そうした非線形アイソレーターが実際的な動作条件のもとで完全なアイソレーションを実現できるかどうかは、まだよく分かっていない。今回我々は、カー非線形性またはカー効果に似た非線形性に基づく非線形光アイソレーターにおける動的相反性を解析的に証明し、数値的に実証している。そうしたアイソレーターは、信号が通過する際、振幅の小さい付加的な波に関する相反関係によって制約され、結果として任意の逆方向伝搬ノイズをアイソレートできないことが明らかになった。この結果は、信号処理やレーザーの保護を目的とした非線形光アイソレーターの使用には重大な限界があることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度