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二次元フォトニック結晶におけるサブ波長真空格子および原子間相互作用

Nature Photonics 9, 5 doi: 10.1038/nphoton.2015.54

光格子中の低温原子を用いた量子シミュレーションは、量子多体物理を探求するための魅力的な手段である。この分野の主要な課題は、現行の光格子系のエネルギースケールと長さスケールを大きくすることによって、温度とコヒーレンス時間の要求を軽減することである。今回我々は、フォトニック結晶導波路中の高密度二次元光格子に関する新しいパラダイムを提示する。特別に設計した二次元フォトニック結晶によって、現行技術の限界を超える方法で原子を捕捉し、それらの相互作用を操作する実用的なプラットフォームが得られ、新しい量子多体物質の研究が可能になる。我々の方式では、自由空間の光学波長によって決まる格子定数に対する制約が取り除かれ、深サブ波長原子アレイに有利になる。さらに我々は、自由空間格子における交換相互作用よりエネルギースケールが数桁大きく、非常に距離の長い長距離相互作用を操作できる二次元フォトニック結晶導波路において、光子を介する原子間相互作用が可能であることを説明する。

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