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小型ナノメカニカル・プラズモニック位相変調器

Nature Photonics 9, 4 doi: 10.1038/nphoton.2015.40

光エネルギーをプラズモニックデバイスに強く閉じ込めることによって、フォトニクス機器の小型化が進められている。しかし、モードサイズが約10 nmに近づくと、金属へ移動するエネルギーが多くなるため、損失が増え、アクティブ位相変調の妨げとなる。今回我々は、動的に調節できるギャップサイズに金属–絶縁体–金属ギャッププラズモンが非常に強く依存する性質を利用した、ナノエレクトロメカニカル位相変調の原理を提示する。我々は、変調範囲が1.5πラジアンで、780 nmで1.7 dBの過剰損失を示す、長さ23μmの非共振型変調器を実験的に実証している。また、ギャップ、長さ、幅を同時に短くすることによって、フットプリントが極めて小さいπラジアン位相変調器を実現できることが解析によって示されている。ギャップを縮めると閉じ込められたプラズモンには過剰損失が見込まれるが、この変調器はそうした過剰損失を引き起こすことなく実現できる。これは、ギャップの減少によって位相変調強度が強くなり、伝搬損失の増加を相殺するからである。そうした電気的に制御可能な小型高密度部品は、光スイッチファブリックや再構成可能なプラズモニック光学デバイスに応用される可能性がある。

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