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ナノ構造を調整した量子ドットを利用する高効率発光デバイス

Nature Photonics 9, 4 doi: 10.1038/nphoton.2015.36

我々は、赤色、青色、緑色の全てがそろい、どの色についても外部量子効率が10%を超える量子ドット系発光デバイス(QD–LED)について報告する。量子ドットの微細ナノ構造、特に、組成傾斜した中間シェルの組成と外側シェルの厚さは、電荷の注入、輸送、再結合に影響を及ぼすため、QD–LEDデバイスの性能を決定する非常に重要な役割を果たすことが明らかになった。こうした単純なデバイスの最大電流効率は、緑色QD–LEDで63 cd A-1、赤色QD–LEDで15 cd A-1、青色QD–LEDで4.4 cd A-1、最大外部量子効率は、緑色QD–LEDで14.5%、赤色QD–LEDで12.0%、青色QD–LEDで10.7%であり、これらは全て102~104 cd m-2の輝度範囲にわたって十分維持されていた。今回のQD–LEDは全て、大量生産しやすいよう溶液プロセスで作製したものであり、低いターンオン電圧と純粋な飽和色を示している。また、緑色デバイスは90,000時間以上、赤色デバイスは300,000時間以上の寿命を示した。

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