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生物の高速ボリュームイメージングのための掃引共焦点配置平面励起(SCAPE)顕微鏡法

Nature Photonics 9, 2 doi: 10.1038/nphoton.2014.323

我々は、掃引共焦点配置平面励起(swept confocally-aligned planar excitation: SCAPE)顕微鏡法という、生体試料の超高速ボリュームイメージングを可能にする三次元顕微鏡法について報告する。共焦点・2光子顕微鏡法は、生物医学研究に変革をもたらしたが、現在導入されている技術は、複雑で費用が掛かり、高速三次元ボリュームイメージング能力に限界がある。2つの対物レンズを直角に配置して照射と検出を行う光シート顕微鏡法は、試料形状の制約が大きく、試料の物理的な平行移動か、照射面と検出面の複雑な同期化のいずれかを必要とする。これに対して、SCAPE顕微鏡法は、単一の対物レンズが試料に対面する構成で、角度を変えて光シートを掃引することによって画像を取得する。独特な共焦点デスキャニングと画像回転光学によって、この動く画像面が固定高速カメラ上にマッピングされ、20ボリューム/秒を超える速度で平行移動を全く必要としない無損傷試料の三次元イメージングが可能になる。我々は、覚醒行動マウスの無損傷脳における自発的神経細胞発火と、自由行動する遺伝子導入ショウジョウバエ幼虫をイメージングすることによってSCAPE顕微鏡法の実例を示している。

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