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ペロブスカイト太陽電池の電気光学的特性

Nature Photonics 9, 2 doi: 10.1038/nphoton.2014.284

有機ハロゲン化物ペロブスカイト太陽電池は、先導的な次世代光起電力技術となりつつある。しかし、効率が急上昇したにもかかわらず、動作機構については多くの疑問が残されている。今回我々は、CH3NH3PbI3ペロブスカイトのみを用いた高効率平面デバイスの電気光学特性を詳細に調べた結果を報告する。我々は、広い周波数範囲にわたって誘電率を報告している。重要なのは、静的誘電率の実数部が約70であることが見いだされ、この値から励起子結合エネルギーが約2 meVと推定されるため、非励起子的機構が強く示唆されることである。さらに、Jonscher則挙動がペロブスカイトのイオン的性質と一致した。セルの光学定数を正確に知ることで、モデリングや設計の改良が可能になる。我々はこの情報を利用して、効率16.5%の最適デバイスを作製した。この最適デバイスは、スペクトル的に平坦なほぼ100%の内部量子効率を持ち、2分子再結合が最小限に抑えられている。こうした結果から、単純なペロブスカイト太陽電池でシリコンに近い効率を実現する系統的な設計ルールが確立される。

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