Article

集積された全光不揮発性マルチレベルメモリー

Nature Photonics 9, 11 doi: 10.1038/nphoton.2015.182

オンチップの不揮発性光メモリーの実現は、長年の目標であるが、難しかった。光データ記憶装置によって、電気的メモリーに伴う待ち時間が減り、さらには光電子変換が不要になる可能性があり、既存の計算機アーキテクチャーの性能が劇的に改善されると思われる。さらに、ランダムアクセスが可能なマルチレベル光メモリーによって、より大きな計算能力を活用できると考えられる。しかし、光メモリーはこれまで揮発性であった。今回我々は、相変化物質に基づく、ロバストで不揮発性の全光メモリーを実証している。我々は、光近接場効果を使うことで、中間状態を容易にスイッチングできる最大8レベルのビットストレージを単一デバイスで実現している。我々のオンチップメモリーセルの特徴は、1 GHzに近い速度でのシングルショット読み出しと13.4 pJという低いスイッチングエネルギーである。我々は、波長分割多重方式を使って個々の記憶素子をアドレスできることを示す。今回のマルチレベル・マルチビットデバイスは、フォン・ノイマンボトルネックの除去への経路となり、全光メモリーと非従来型コンピューティングの新しいパラダイムの先触れとなる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度