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漏れ波アンテナを使ったテラヘルツ領域の周波数分割多重化

Nature Photonics 9, 11 doi: 10.1038/nphoton.2015.176

自由空間無線通信用の搬送波として0.1~1.0 THz領域の電磁波を使うというアイデアは、広い帯域幅が利用できる見込みがあるため、最近大きな関心を呼んでいる。最近の研究は、システムの実証とともに、変調、ビームステアリング、偏光制御を行う新しいコンポーネントの探究に重点を置いている。しかし、テラヘルツ信号の多重化と逆多重化は、広帯域ネットワークでそうした機能が重要であるにもかかわらず、まだ取り組まれていない課題である。今回我々は、金属の平行平板導波路に基づく漏れ波アンテナを使って、1オクターブ以上の帯域幅にわたって周波数分割多重化と逆多重化を実証している。我々は、このデバイスアーキテクチャーによって、導波路板の間隔を変えて、スペクトル配分を制御する類のない方法が得られることを示している。マイクロ波領域と光領域のいずれかでこれまで用いられていた方法とは異なり、この方法によって、多重化したテラヘルツチャネルの中心周波数と帯域幅の両方を独立して制御することが可能になる。

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