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液体ヘリウム温度における励起状態の飽和を利用した光学ナノ顕微鏡法

Nature Photonics 9, 10 doi: 10.1038/nphoton.2015.152

単一固体量子発光体をナノメートルスケールで光学的に解像することは、強くコヒーレントに相互作用する発光体が形成する非局在状態を制御するために取り組むべき困難な課題である。我々は、極低温で動作する簡便な超解像度光学顕微鏡法を開発した。この方法は、ドーナツ型ビームによる単一蛍光分子の励起状態の光飽和を利用している。室温誘導放出抑制顕微鏡法の100万分の1という極めて低い励起強度で、10 nm未満の解像度が達成された。超局在法と比べると、今回の手法は、光共鳴周波数の重なる単一分子を超解像する類のない機会を提供し、単一発光体間のコヒーレント相互作用の研究やエンタングルメントの程度の操作への道を開くものである。

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