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有機金属ハロゲン化物ペロブスカイトにおける自由電荷キャリアによるバンドフィリング

Nature Photonics 8, 9 doi: 10.1038/nphoton.2014.171

有機金属ハロゲン化物ペロブスカイト半導体は、特異で有望な特性を持つため、太陽エネルギー研究の最前線にある。今回我々は、フェムト秒過渡吸収分光測定によってCH3NH3PbI3薄膜の励起状態特性に関して新たな知見を得たことを報告する。760 nmにおける光誘起ブリーチ回復から、バンド端再結合が2次の反応速度式に従うことが明らかになっており、このことは主要な緩和経路が自由電子と正孔の再結合を介することを示している。加えて、ペロブスカイト膜における電荷蓄積によって、Burstein–Mossバンドフィリングモデルに従う固有バンドギャップの拡大が起こる。再結合機構とバンド端シフトの両方が光生成キャリア密度の関数として調べられ、ハイブリッドペロブスカイトにおける電荷キャリア挙動の解明に役立っている。これらの結果から、光起電デバイスや光電子デバイスへの応用に直接的影響を及ぼす有機金属ハロゲン化物ペロブスカイト半導体に固有の光物理学的性質に関する知見が得られる。

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