Article

単一量子ドットスピンからの共振器誘導ラマン発光

Nature Photonics 8, 6 doi: 10.1038/nphoton.2014.84

固体量子エミッターには、量子情報への応用に大きな可能性があることが示されているが、スペクトル不均一性が固体量子エミッターの大きな問題となっている。我々は、共振器誘導スピンフリップラマン発光を実証することによって、共振器–量子ドット系でのこの問題に取り組んでいる。この過程では、エミッターの励起状態の占有が避けられ、レーザーからラマンシフトし共振器によって増強された光子が発生する。この発光はスペクトルが狭く、固有幅より2桁広い125 GHz以上の範囲にわたって調節できる。我々は、ラマン発光がスピンに依存する領域をつかんでおり、これによって、光子と長寿命電子スピンキュービットが結合する。この過程によって、区別できない光子を発生させる高効率波長可変光源や、フォトニック結晶量子ネットワークにおける遠隔スピンキュービットの決定論的量子もつれが可能になりうる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度