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ワット級高出力高ビーム品質フォトニック結晶レーザー

Nature Photonics 8, 5 doi: 10.1038/nphoton.2014.75

面発光レーザー、特に垂直キャビティ面発光レーザー(VCSEL)の応用は現在、通信や相互接続を含むさまざまな低出力分野に広がっている。しかし、VCSELは、単一モード動作を維持しつつ、出力を数ミリワット以上に増大させることが根本的に難しいため、円形ビームで、深刻な光損傷がなく、二次元への集積に適しているといった有利な性質にもかかわらず、材料加工、レーザー医療、非線形光学などの高出力分野への応用が妨げられている。今回我々は、室温、連続波という条件の下での、二次元フォトニック結晶面発光レーザーのワット級の高出力単一モード動作を実証している。有機金属化学気相成長法によって形成されたフォトニック結晶の二次元バンド端共鳴効果によって、コヒーレント発振領域が1,000倍広くなり、その結果、M2≤1.1という高いビーム品質が得られ、焦点スポットはVCSELに比べて2桁小さくなった。今回の実証により、面発光レーザーの革新的な高出力応用が実現すると期待される。

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