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塊状重合PMMAマトリックス中の「ストークスシフト操作」ナノ結晶を利用した大面積発光型太陽光集光器

Nature Photonics 8, 5 doi: 10.1038/nphoton.2014.54

発光型太陽光集光器は、半導体光起電デバイスを補完する費用効果の高いデバイスであり、太陽電池の出力を高め、光起電活性な建築構成要素(例えば、太陽光発電窓)を建物に組み込むことを可能にする。コロイド量子ドットは、発光型太陽光集光器への応用に魅力的であるが、ストークスシフトが小さいため再吸収損失が生じ、大面積デバイスの実現が阻まれている。今回我々は、「ストークスシフトを操作した」巨大シェルCdSe/CdS量子ドット(巨大量子ドット)を用いて、デバイスサイズが最大数十センチメートルで再吸収損失のない発光型太陽光集光器を実現している。モンテカルロシミュレーションによって、巨大量子ドットを用いると、コアだけのナノ結晶と比較して効率が100倍になることが示されている。我々は、工業的方法を改良して作製した高光学品質の量子ドット–ポリメチルメタクリレートナノコンポジットを用いることによって、今回の方法の実現可能性を実証している。この方法だと、ポリマーに導入した後も巨大量子ドットの発光特性が維持される。今回の発光型太陽光集光器は、光学効率が10%を超え、有効集光比が4.4である。これらの結果は、ストークスシフト操作量子ドットが大面積発光型太陽光集光器向けとして非常に有望であることを示している。

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