Article

識別不可能な偏光もつれ光子対のオンデマンド生成

Nature Photonics 8, 3 doi: 10.1038/nphoton.2013.377

識別不可能でもつれた光子対のオンデマンド光源は、光量子計算、量子リピーター、量子テレポーテーション、量子通信を含む、量子情報のさまざまな応用において基本的な構成要素になる。パラメトリック下方変換光源と4波混合光源は、高度なもつれと識別不可能性を示しているが、その生成過程は確率的であり、ポアソン分布に従うため、生成される光子対がゼロや複数であることもある。これは、多数のキュービットとゲート操作が必要な複雑なアルゴリズムにおけるそうした光源の利用を制限している。今回我々は、単一半導体量子ドットからの偏光もつれ光子対が、超高純度(g(2)(0) < 0.004)、高いもつれ忠実度(0.81 ± 0.02)、高い2光子干渉非事後選択コントラスト(0.86 ± 0.03および0.71 ± 0.04)、オンデマンド生成(効率εpair= 0.86 ± 0.08)といった特性を同時に備えていることを示す。2光子共鳴励起を通して、励起子分子集団が、1つのπパルスによって決定論的に作られる(ε biexciton = 0.98 ± 0.07)。これを、励起子微細構造分裂を示さない量子ドットに適用した結果、識別不可能なもつれ光子対が決定論的に生成された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度