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サブ100フェムト秒中赤外パルスによって駆動される高輝度卓上型硬X線源

Nature Photonics 8, 12 doi: 10.1038/nphoton.2014.256

凝縮相の超高速構造ダイナミクスは、今日の物理学、化学、材料科学における主要テーマである。フェムト秒硬X線パルスは、時間分解X線吸収や時間分解X線回折に利用されている重要な構造プローブである。小型レーザー駆動卓上型光源を用いた光ポンプ/X線プローブ方式によって、X線光子統計による回折強度のわずかな変化の測定が可能になり、究極の感度限界が定められた。今回我々は、X線の高フラックス化という強い要望に対処するため、3.9 μmの高強度中赤外サブ100フェムト秒パルスによって駆動される初の硬X線プラズマ光源について報告する。比較的長い3.9 μmの光学周期によって、Cuターゲットから放出される電子を非常に高い運動エネルギーに加速でき、1パルス当たり109光子のKα特性X線フラックスの発生が可能になる。これは、我々の800 nmの駆動パルスで得た値の25倍である。理論シミュレーションによって、幅広い駆動場における実験結果が説明され、さらなるX線フラックス増加が予測されている。

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