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半導体スピンから読み出されるフォトンエコーを使った長期光メモリーへのアクセス

Nature Photonics 8, 11 doi: 10.1038/nphoton.2014.219

光情報を蓄積する能力は、古典通信でも量子通信でも重要である。光情報の蓄積を包括的な形で実現する(光場を物質の励起に変え、この励起を蓄積し、制御可能な時間遅延の後に放出する)ことは、物質の性質が多様で相反することも多いため、極めて困難である。もっと具体的に言えば、振動子強度の高い半導体量子構造体における光学共鳴は、励起寿命が必然的に短いため、短期光メモリーになる。今回我々は、光場に含まれる情報をスピン系へ移すことによる、誘導フォトンエコーの新たな実験的方法を報告する。スピン系では情報は光真空場から分離され、ずっと長く持続する可能性がある。我々は、これをn型にドープしたCdTe/(Cd,Mg)Te量子井戸で実証している。その蓄積時間は、ピコ秒の範囲から最大数十ナノ秒へ、3桁以上長くなる可能性がある。

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