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3光子偏光もつれの直接生成

Nature Photonics 8, 10 doi: 10.1038/nphoton.2014.218

光の非古典的状態は、新興の量子技術にとって基本的に重要である。これまで、多量子ビットもつれ状態を作る全ての光学実験は、望んだ状態に対応する測定結果だけを考慮する手続きである、結果の事後選択を利用していた。しかし、この方法は、結果として生じるもつれ状態の有用性を大きく制限してしまう。今回我々は、2つのもつれた下方変換プロセスを段階的に行うことにより、偏光もつれ光子トリプレットを直接生成したことを示す。高効率超伝導ナノワイヤ単一光子検出器によるトリプレットの検出によって、量子状態トモグラフィーでトリプレットの特性を完全に評価することができた。我々は、この3光子もつれ状態を使って、これまでの3光子状態では不可能だった、ベル状態を伝令する能力を実証し、Mermin不等式とSvetlichny不等式を破るかを調べて局所実在性を検証した。こうした結果は、結果の事後選択の制限を除くことによる、もつれた多光子状態の生成における重要な進展であり、光量子情報処理のための新たなリソースを与える。

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