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量子光通信路の究極の古典通信速度

Nature Photonics 8, 10 doi: 10.1038/nphoton.2014.216

ファイバーや自由空間リンクなどの光通信路は、現在の通信ネットワークの至る所に存在する。光通信路は、光子が関与する電磁場に頼って、空間のある地点から別の地点へ情報を伝える。こうした光通信路の完全物理モデルでは、必ず量子効果を考慮に入れて、究極の性能を決定しなければならない。実用化に向けての重要性を考慮して、単一モード位相不感応型ボソニックガウス通信路が過去数十年にわたって幅広く研究されてきた。それにもかかわらず、ガウス型符号化の最適性に関する予想が長年にわたって未解決であるため、古典通信容量を見いだすことができなかった。今回、真空状態によって光通信路の最小出力エントロピーが達成されることを証明することにより、この予想を解決している。今回の結果によって、エネルギー拘束下で達成可能な究極のビットレートが定まるばかりでなく、こうした光通信路のシングルレター古典容量が加法的であることの待望の証拠が確立される。

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