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スペックル相関を用いた、散乱層を介する方式および壁で後方散乱させる方式による非侵襲的シングルショットイメージング

Nature Photonics 8, 10 doi: 10.1038/nphoton.2014.189

複雑な試料を通した光学的イメージングや、複雑な試料内部の光学的イメージングは、難しい課題だが、多くの分野に重要な応用がある。基本的な問題は、生物組織などの不均一な試料が光をランダムに散乱し拡散するため回折限界画像を生成できないことである。最近の多くの進展にもかかわらず、現行の方法では、拡散光を用いてリアルタイムで非侵襲的にイメージングを行うことができない。今回我々は、スペックル相関に関する「メモリー効果」のおかげで、標準的なカメラで取得した散乱光の高分解能単一画像が、視覚的に不透明な層を介する方式と壁で後方散乱させる方式で、隠れた物体を回折限界分解能でイメージングするのに十分な情報をエンコードしていることを示す。我々は、空間的にインコヒーレントな光とさまざまな試料(白色塗料から動的な生物試料まで)を用いて、散乱媒質を介する方式と壁で後方散乱させる方式での、隠れた物体のシングルショットイメージングを実験的に実証する。レンズを用いない我々のシングルショット手法は、簡便で、波面整形も時間ゲート検出や干渉検出も必要とせず、ここではカメラ付き携帯電話を用いて実現されている。この技術を利用すれば、現時点で実現できていないシナリオについてもイメージングできる可能性がある。

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