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無秩序なフォトニックチップを用いた小型分光計

Nature Photonics 7, 9 doi: 10.1038/nphoton.2013.190

無秩序媒質における光散乱は、自然系や人工系に一般的に見られるため、広く研究されている。フォトニクスでは研究の大部分が、有害となることの多い散乱の効果の解明と軽減に集中している。しかし、特定の応用では、意図的に導入した無秩序性によって、光起電力技術におけるように、デバイスの性能が実際に改善されることがある。今回我々は、ランダムな構造を特徴とするシリコンオンインシュレーターチップにおける、多重光散乱に基づく分光計を実証する。プローブ信号はこのチップを通って拡散し、波長に依存するスペックルパターンを発生する。こうしたパターンを検出し、較正後に入力スペクトルを回復するのに用いる。半径が25 μmの構造において1,500 nmの波長で0.75 nmのスペクトル分解能が得られた。このような小型の高分解能分光計はラボ・オン・チップ分光法の応用に適している。

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