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アト秒パルス列のフォトニックストリーキング

Nature Photonics 7, 8 doi: 10.1038/nphoton.2013.170

強力なレーザーパルスが物質と相互作用するときに発生する高調波放射は、アト秒パルス列からなっている。このパルス列の各パルスは、超高速ダイナミクスに関する半光周期毎に異なる情報を運んでいる。今回我々は、発光時間を伝搬角へ写像して、各アト秒パルスを直接実験的に利用する全光フォトニックストリーキング測定を実証している。この測定は、瞬間的なレーザー波面の超高速回転を焦点に生じさせることで実現された。このようにして我々は、アト秒パルス列の発生、ひいては非線形媒質自体のダイナミクスを時間分解した。フォトニックストリーキングを気体中の高調波発生に適用して、発生するアト秒パルス列に非断熱的電子ダイナミクスとプラズマ形成が及ぼす影響が初めて直接観察された。さらに、これらの実験結果と数値計算の結果から、気体中にアト秒灯台が発生したことを示す初めての証拠が得られた。この灯台はアト秒ポンププローブ分光法の理想的な光源の構成要素となる。

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