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カオス光共振器でのエネルギー貯蔵量の増加

Nature Photonics 7, 6 doi: 10.1038/nphoton.2013.108

カオスは、現代科学の多くの側面でみられる現象である。古典力学では、カオスは初期条件に対する鋭敏性として定義される。カオスの存在は歓迎されないことが多い。予測不可能性が持ち込まれ、実験結果を予測したり説明したりすることが難しくなるからだ。今回我々は、カオスをどのように使えば光共振器のエネルギー貯蔵量を大きくすることができるか実証する。我々は、フォトニック結晶共振器において、解析的理論とab initioシミュレーションと実験を組み合わせ、カオス光共振器は、同じ体積の従来型光共振器の6倍のエネルギーを蓄えることができることを示す。我々は、カオス光共振器の全ての自由度(つまり、キャビティモード)へのエネルギー等分配を考えることによって、観測されたエネルギー貯蔵量の増加を説明し、キャビティモードの寿命が1つの値に収束することを発見した。変形したポリスチレン微小球でみられる強い吸収が、この理論の説得力のある実例になる。

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