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偏光分光学的トモグラフィーに基づいたプラズモニックナノ分度器

Nature Photonics 7, 5 doi: 10.1038/nphoton.2013.68

ナノメートルの空間分解能で分子標識とナノ粒子標識を検出することは、生体分子科学や材料科学にとって極めて重要である。生体分子の曲げと回転の測定や、足場としてDNAを使って組み立てたソフトマテリアルの特性評価ができるナノセンサーは、非常に望ましい。可視光の分光学的ものさしに取り入れられた強力なアイデアは、空間配列の変化をスペクトルの差へ変換することである。いくつか例外はあるが、蛍光共鳴エネルギー移動などの現行の分光学的ものさしや最近実証されたプラズモニックものさしからは、標識を付けた物体間の距離に関する一次元情報しか得られない。今回我々は、プラズモニック球とそれに付けたナノ標識の間に形成されるプラズモニックナノ構造に基づく、「プラズモニック分度器」と呼ばれる三次元分光学的ナノセンサーを提案し、実証する。偏光分解散乱法によって、回折限界をはるかに超える空間分解能でナノ標識の位置と方位の再構成が可能となる。このプラズモニック遠方場のin situ空間配列センサーは、既存の分光学的ものさしの能力を大きく拡張するものである。

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