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航空機から地上局への量子通信

Nature Photonics 7, 5 doi: 10.1038/nphoton.2013.46

量子鍵配送は、量子情報という新分野で、最初に商業的に応用された技術である。政府機関と金融機関で初めて日常業務に応用され、信頼できるノードネットワークの実証に成功している。現在の主たる目標は、全世界的なセキュア通信を可能にするため、量子リピーターや人工衛星による効率的な長距離鍵配送を実現することである。人工衛星による量子鍵配送実現への中間段階として、144 km離れた2つの地上局の間で、自由空間での秘密鍵配送がすでに実証されている。このシナリオは、減衰と変動の両面で、地球低軌道を回る人工衛星と地上局とのリンクと同等である。しかし、高速で運動するプラットフォーム間の鍵の交換は、まだ実証されていなかった。今回我々は、航空機と地上局の間のBB84量子鍵配送が実現可能であることを初めて立証している。20 km離れて290 km h-1で、つまり4 mrad s-1で移動する航空機と、安定で低雑音の量子通信チャネルを確立することができた。今回の成果は、人工衛星や高々度プラットフォームへの典型的な通信リンクの見本になる。

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