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無標識位相ナノスコピー

Nature Photonics 7, 2 doi: 10.1038/nphoton.2012.329

我々は、光回折限界を超えて定量的に光学特性を決定し、無染色の生きた生物試料を直接イメージングできる顕微鏡法を紹介する。技術的に確立しているホログラフィック顕微鏡法では、干渉検出を用いて複素場が測定され、回折限界の位相測定が可能となる。今回我々は、準2πホログラフィック検出法と複素デコンボリューションを用いることによって、非侵襲型の光ナノスコピーが90 nmの横方向分解能を実現できることを示す。我々は、試料面への照射方向がさまざまな光でホログラムを記録し、試料のサブ波長のトモグラフィーの変動を観測した。トモグラフィー再構成を較正し、コヒーレント伝達関数によってイメージングシステムの特性を評価するのに、ナノスケールの開口が役立つ。こうしたことから、現実的な逆フィルタリングがもたらされ、真の複素場の再構成が保証される。ナノスケールの多孔質細胞被殻(ケイソウ類)、細菌(大腸菌(Escherichia coli))の直接研究、生きた樹状突起棘(ニューロン)の動態を調べる低速度撮影法の観測結果を示している。

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