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可視波長で誘電率がゼロに近いメタマテリアルの実験的実現

Nature Photonics 7, 11 doi: 10.1038/nphoton.2013.256

誘電率がゼロに近い光学材料には、ほとんど位相が進むことなく光が進むという特異な性質がある。誘電率がゼロに近い材料は、マイクロ波と遠赤外スペクトル領域で人工的に作られているが、可視スペクトル領域で誘電率がゼロに近い、厚みのある三次元材料を作ることは難しかった。今回我々は、サブ波長の厚さの銀と窒化ケイ素のナノラメラを注意深く整形して作られた平行アレイからなる、光メタマテリアルを報告する。この光メタマテリアルは、実効誘電率がゼロになることが干渉測定によって実証されており、インピーダンス整合がよく、光の透過率も高い。誘電率がゼロに近いという条件は、幾何学的な構造を変えることによって可視スペクトル領域全体にわたって調整でき、例えば、透過率増大、波面整形、制御された自然放出、超放射などの新しいマイクロ光学部品やナノ光学部品につながる可能性がある。

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