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チップに集積化された応答度の高い超高速グラフェン光検出器

Nature Photonics 7, 11 doi: 10.1038/nphoton.2013.253

グラフェン系光検出器は、広帯域にわたる超高速応答、強い電子-電子相互作用、光キャリア増倍など、並外れた物理的特性を示すことから、強い関心を集めてきた。しかし、グラフェンの光吸収が弱いため、光応答度が限られていた。 これに対処するため、ナノ共振器やマイクロ共振器、プラズモン共振器にグラフェンが組み込まれたが、こうした方法では光検出が狭帯域に制限される。グラフェン-量子ドット・ハイブリッド構造とすることで、応答度を大幅に向上できるが、応答速度が犠牲になる。今回我々は、高い応答度、高速性、広いスペクトル帯域幅を同時に示す導波路集積型グラフェン光検出器を実証している。導波路とエバネッセント結合した金属ドープグラフェン接合を用いることにより、0.1 A W−1を超える光応答度と、1,450~1,590 nmでほぼ一様な応答が実現されている。我々は、ゼロバイアスの下で、20 GHzを超える応答速度と、計測器の性能に制限される12 Gbit s−1の光データリンクを実証している。

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