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サブミリ秒蛍光顕微鏡法のためのデジタル合成したビート周波数多重化

Nature Photonics 7, 10 doi: 10.1038/nphoton.2013.245

蛍光イメージングは、生物試料の分子組成を明らかにするために最も幅広く使われている方法である。しかし、蛍光プローブの発光が弱く、イメージングの速度と感度のトレードオフがあるため、生きている細胞や組織のサブミリ秒の生化学ダイナミクスや、高速で流動する細胞などの高速現象の鮮明な画像を得るのは難しい。今回我々は、高速蛍光イメージング法の標準となっている現在の電子増倍電荷結合デバイスより1桁以上高速な、実時間の画素読み出し速度を実現する手法を報告する。高周波標識付き発光を使った蛍光イメージング(FIRE)と名付けたこの手法は、デジタル合成した光場のビート現象を使って、高周波スペクトルへ画像をマッピングする。我々は、4.4 kHzのフレームレートでの静止した細胞の回折限界共焦点蛍光イメージングと、1 m s-1の速度の流れにおける蛍光顕微鏡法を実証した。後者は、毎秒約50,000個の細胞のスループットに相当する。

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