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全誘電体ゼロ屈折率光メタマテリアルの実現

Nature Photonics 7, 10 doi: 10.1038/nphoton.2013.214

メタマテリアルによって、負の屈折率、超高屈折率、キラル光学特性を実現できるなど、物質の光学特性をかつてないほど柔軟に操作できるようになった。最近、ゼロに近い屈折率を持つメタマテリアルが、非常に注目を集めている。そのような材料中の光は、空間位相変化を示さず、極めて大きな位相速度を示す。こうした特性は、指向性放射、トンネル導波路、大面積単一モードデバイス、電磁クロークの実現に応用できる。しかし、光周波数において、これまでに実証されたゼロ屈折率や負屈折率のメタマテリアルは、金属含有物を使用する必要があるため、抵抗損失が大きくなり、デバイス応用の大きな妨げとなっていた。今回我々は、純粋な誘電体構成要素を利用した、光周波数においてインピーダンス整合されたゼロ屈折率のメタマテリアルを実験的に実証している。このメタマテリアルは、シリコンロッドの単位セルを積み重ねて作られており、TM偏光に対してほぼ等方的な低屈折率応答を示し、透過の角度選択性と、メタマテリアル内に配置された量子ドットからの指向性放射がもたらされる。

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