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バイアスをかけたグラフェンの光伝導性

Nature Photonics 7, 1 doi: 10.1038/nphoton.2012.314

グラフェンは、光検出器、テラヘルツイメージャー、プラズモニクスデバイスといったオプトエレクトロニクス機器向けの有力な候補である。グラフェン接合における光応答の起源は詳しく調べられており、熱電効果または光起電力効果に起因すると考えられている。さらに、ホットキャリア輸送とキャリア増倍が重要な役割を果たすと考えられている。今回我々は、バイアスがかかっていることを除けば均一なグラフェンにおける固有の光応答について報告する。この古典的な光伝導実験では、熱電効果は重要でない。むしろ、光起電力効果と光誘起ボロメトリック効果が光応答を支配している。バックゲート電圧を掃引するとこれらの2つのメカニズムが交互に現れ、測定された光電流は極性反転を示す。我々の解析から、電子温度とフォノン温度の上昇が明らかになっており、電子温度はフォノン温度より1桁高い。この結果は、グラフェンにおけるホットエレクトロン駆動光応答やフォノン経由のエネルギー損失経路の解明に役立つ。

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