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レーザーダイオードからの決定論的偏光カオス

Nature Photonics 7, 1 doi: 10.1038/nphoton.2012.286

レーザーダイオードの発明から50年、決定論的カオスの予測不能性がバタフライ効果によって示されてから40年が経ち、 レーザーダイオードは非線形減衰振動子のようにふるまい、追加的強制やパラメーター変調がなければカオス的動作に追いやられることがないと一般的に考えられている。今回我々は、そうした考えに反論し、カオスを生成する自走レーザーダイオードの初の例を報告する。基礎となる物理過程には、垂直共振器面発光レーザーにおける2つの楕円偏光モードの非線形結合が含まれる。我々は、実験的時系列においてカオスを特定し、ローレンツカオスに似た特徴を持つシングルおよびダブルスクロール・アトラクターにつながる分岐を理論的に示している。報告した偏光カオスは、ノイズ駆動モードホッピングに似ているが、正反対の統計的特性を示す。今回の結果は、制御可能な集積型光学カオス源の生成に向けて新しい研究領域を開くものである。

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