Letter

全外部反射に近い三次元コヒーレントX 線表面散乱イメージング

Nature Photonics 6, 9 doi: 10.1038/nphoton.2012.178

材料科学や生物科学における応用が期待される成長分野として、理論的な画像解像度がX線の波長にしか制限されないレンズレスX線コヒーレント回折イメージング(CDI)が現れている。大部分のCDI法は透過配置を用いるが、この配置は、不透明な基板上に成長したナノ構造体や、表面や界面のみからなる対象物体には適していない。可視光やX線を用いて反射配置でCDI実験を行う試みは行われているが、再構成によって得られる画像はほとんどが平面であり、立体的な画像の取得には成功していない。今回我々は、全外部反射に近い増強されたX線の表面散乱と干渉を利用した、入射角がすれすれになる配置のコヒーレント表面散乱イメージングの開発について検討している。我々は、基板に担持された非周期的な表面パターンの三次元再構成に成功し、基板の法線方向でナノメートルの分解能が得られたことを示す。これは、基板に担持されたり、埋め込まれたりしているナノ電子素子やフォトニック素子の構造の解明に幅広く応用できる見込みがある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度