Letter

エネルギー分散型X線分光における単一エルビウム原子から放出された光子の検出

Nature Photonics 6, 8 doi: 10.1038/nphoton.2012.148

顕微鏡を用いたナノスケールデバイスの診断には、単一量子物体から放出された光子を検出することが非常に望ましい。最近、収差補正走査型透過電子顕微鏡法に高電流の極小プローブ(約0.1 nm)が利用できるようになり、そのような高集束プローブを用いればナノスケールデバイスの個々の原子を励起できる。今回我々は、エネルギー分散型X線分光を用いて単一エルビウム原子からの特性X線信号の検出に成功したことを示す。単一エルビウム原子からのエルビウムL線とM線の強度は、電子線エネルギー損失分光のN端と比較して極端に弱く、X線分光を用いた単一原子検知が本質的に難しいことを示している。それにもかかわらず、本研究は、単一原子からのX線スペクトル取得に向けての進展と、単一原子ベースでの蛍光収率の評価に確実に役立つであろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度