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軌道角運動量多重化を利用したテラビット自由空間データ伝送

Nature Photonics 6, 7 doi: 10.1038/nphoton.2012.138

らせん状の位相面を持つ光ビームは軌道角運動量を持つことが1990年代にわかり、光マニピュレーションから量子情報処理までさまざまな応用分野に恩恵がもたらされた。最近、そのようなビームを通信に役立てる機会に関心が向けられている。今回我々は、42.8 × 4 Gbit s−1直交振幅変調(16-QAM)信号で符号化された軌道角運動量値の異なる4本の光ビームを多重化しかつ多重分離でき、偏光多重化と組み合わせると1.37 Tbit s−1の総合速度と25.6 bit s−1 Hz−1のスペクトル効率を実現できることを実証する。さらに我々は、20 × 4 Gbit s−1 16-QAMを伝える偏光多重化された8本2組の同心円状の軌道角運動量ビームを用いて、空間領域におけるスケーラビリティーを示し、2.56 Tbit s−1の容量と95.7 bit s−1 Hz−1のスペクトル効率を実現している。さらに、我々は、100 Gbit s−1の差分直交位相偏移キーイング信号で符号化された軌道角運動量ビーム間でのデータ交換についても報告する。これらの実証結果は、軌道角運動量が自由空間通信の容量増加に有用な自由度になりうることを示唆している。

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