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光起電力素子のフォトニック構造体としてのしわと深いひだ

Nature Photonics 6, 5 doi: 10.1038/nphoton.2012.70

自然界における最も単純な集光システムのいくつかは、内部光散乱を増大させる表面構造の存在に頼っている。我々は、この概念を拡張して、人工の太陽エネルギー捕集システムの効率を高めた。具体的には、機械的応力をかけたときにポリマー表面に形成されるしわや深いひだを利用して、光起電力素子の光活性領域に光を誘導し保持している。そのような表面に作製されたデバイスでは、特にしわや深いひだを利用しなければ光吸収が最小となる近赤外域において光捕集効率の大幅な向上が見られる。我々は、近赤外においてポリマー光起電力装置の外部量子効率が600%以上増加し、有効な太陽エネルギー変換域が200 nm以上拡大することを報告している。薄層材料の弾性不安定性を利用するというこの方法は簡便であり、フォトニック構造体を大面積にわたってパターニングして光エレクトロニクス機器の性能を向上させる経済的な手段となる。

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