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超高速第二高調波顕微鏡法による光の空間的・時間的局在化の観測

Nature Photonics 6, 5 doi: 10.1038/nphoton.2012.69

多重コヒーレント散乱や特定散乱経路の増加的干渉は、ランダムに無秩序な媒質における古典波や量子波の著しい局在化現象の共通の機構となっている。顕著な例として、無秩序導電体における電子輸送、半導体ナノ構造体における励起子の局在化、粗い金属膜における表面プラズモンポラリトン、無秩序誘電体や増幅媒質中の光がある。しかし、局在化過程の基本的な時間空間ダイナミクスの直接観測は依然として困難である。このことは、特に、きわめて短いフェムト秒の時間スケールとナノメートルの長さスケールで起こる光の局在化について当てはまる。今回我々は、第二高調波顕微鏡法と数サイクルの時間分解能を組み合わせて、ランダム誘電体媒質中の光波の時間空間的局在化を調べている。我々は、フォトンモードの寿命が数フェムト秒であり、局所的な光の状態密度が幅広い分布を示すことを見いだし、光の局在化の主要な特徴を明らかにしている。

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