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キュービットの再利用によるショアの量子因数分解アルゴリズムの実験的実現

Nature Photonics 6, 11 doi: 10.1038/nphoton.2012.259

量子計算アルゴリズムは、量子力学を利用して最良の古典的アルゴリズムよりも指数関数的に速く問題を解く。高速で因数分解するショアの量子アルゴリズムは、重要な例であり、量子コンピューターを実現する国際的取り組みにおいて主要な動機づけとなっている。しかし、リソースの要求が大きいため、これまで小規模な実証が4件しか行われていない。今回我々は、このリソース要求に対処し、ショアのアルゴリズムのスケーラブル版を実証している。このアルゴリズムでは、nキュービットの制御レジスタが、n回再利用される単一キュービットによって置き換えられ、キュービットの総数は、標準プロトコルに必要とされる数の3分の1になる。我々は、より高次元の状態でワークレジスタをエンコードすることによって、N = 21を因数分解する二光子コンパイル済アルゴリズムを実装している。これまでの実証とは異なり、このアルゴリズムの出力はノイズから弁別できる。これらの結果は、すべての物理的アーキテクチャに適用可能なスケーラブルなリソース削減を利用することによって、ショアのアルゴリズムをより大規模に実装できることを示すものである。

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