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量子メモリーを必要としない量子通信

Nature Photonics 6, 11 doi: 10.1038/nphoton.2012.243

量子物理学によって、情報を作成・操作・記憶する全く新しい方法が可能になることが知られている。量子通信(量子情報を伝送する能力)は、あらゆる量子インターネットにとって基本的に必要不可欠なものである。根本的には、量子通信は一般的に遠隔地間でのもつれリンクの形成を必要とする。これらのリンクの性能はそのような遠隔地間の古典的シグナリング時間によって制限されており、このため長寿命量子メモリーが必要になる。今回我々は、遠隔地間のもつれの確立も、長寿命量子メモリーの使用も必要としない通信ネットワークの設計を提示する。ネットワークを通じて量子データを伝送する速度は、効率の高い局所ゲート操作を行うのに必要な時間によってのみ制限される。したがって、我々の方式によって、通信速度をこれまで可能と考えられていた速度より速くできる可能性がある。

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