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NEXAFS-TXMによる偏光X線ナノスケール分光法

Nature Photonics 6, 1 doi: 10.1038/nphoton.2011.268

X線近吸収端分光法(NEXAFS)は、材料科学分野で不可欠な分析手段である。NEXAFSと走査型透過X線顕微鏡法(STXM)を組み合わせることによって、空間分解能が加わり、ひとつひとつのナノ構造体を研究できるようになる。今回我々は、STXMの2倍のデータ収集速度で高分解能の大面積NEXAFSデータが得られる結像型透過X線顕微鏡(TXM)について報告する。このTXM光学設計によって、E/ΔE = 1 × 104のスペクトル分解能、15~20 µmの視野で25 nmの空間分解能、約1 sのデータ収集時間が実現される。一例として、我々は、個々の異方性プロトン化チタン酸ナトリウムナノリボンの画像スタックと偏光依存NEXAFSスペクトルを提示する。我々のNEXAFS-TXM技術は、1つの画像スタックで多くのナノ構造体を視覚化できるので、統計情報がすでに含まれているという利点がある。今回の新しい高分解能NEXAFS-TXM 技術は、先端的ナノ科学研究への道を開くものである。

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