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半導体マイクロ共振器におけるブライトソリトンの観測

Nature Photonics 6, 1 doi: 10.1038/nphoton.2011.267

マイクロ共振器ポラリトンは、半分光で半分物質の複合準粒子であり、非平衡凝縮、パラメトリック散乱、超流動など、豊かな物理的特性を示すことが最近実証された。同時に、情報処理用途では、ポラリトンには光子に勝る大きな利点がある。励起子成分によって、回折が弱くなり、粒子間相互作用が強くなるからである。これはそれぞれ、強い局在化と、低いパワーで非線形機能が得られることを意味している。今回我々は、強く結合した半導体マイクロ共振器においてブライトポラリトンソリトンを初めて実験的に観測したことを報告する。ポラリトンソリトンは、運動量空間に幅広いスペクトルを伴うマイクロメートルスケールの非回折性局在波束であることが示されている。ボーズ凝縮した原子ガスで知られるソリトンとは異なり、ポラリトンソリトンは、非平衡であり、損失と外部励起のバランスに依存している。マイクロ共振器ポラリトンソリトンは、ピコ秒の時間スケールで励起されるため、応答時間がナノ秒である半導体共振器レーザーにおける光のみのソリトンより、情報処理用途での利点はさらに大きい。

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