Letter

指向性単一光子放出と1に近い収集効率を目的とする平面誘電体アンテナ

Nature Photonics 5, 3 doi: 10.1038/nphoton.2010.312

単一エミッターは、暗号、量子コンピューテーション、分光、計測などさまざまな状況において単一光子源と見なされてきた。これらの応用分野の成功は、明確なモードへの高効率指向性光子放出に大きく依存するであろう。高効率を達成するために、極低温マイクロ共振器、フォトニックナノワイヤー、金属ナノアンテナとの近接場結合が調べられている。しかし、めざましい進歩にもかかわらず、これまで実現された結果は、収集効率1には遠く及ばない。今回我々は、層状構造を利用して単一配向分子の放射角を調節した誘電体平面アンテナの理論的・実験的研究について報告する。我々は、室温で顕微鏡の対物レンズを用いて96%の収集効率を実証し、約50 MHzというこれまでで最高の検出速度を得ている。我々の方式は波長に敏感でなく、色中心や半導体量子ドットなどのほかの固体エミッターに容易に拡張できる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度