Letter

完全バンドギャップを持つ三次元フォトニック結晶ナノ共振器におけるレーザー発振

Nature Photonics 5, 2 doi: 10.1038/nphoton.2010.286

フォトニック結晶は、フォトニックバンドギャップ効果によって得られる人工電磁環境における、光子の制御と操作に広く利用されている。 フォトニックバンドギャップ効果は、高効率レーザーなどの未来の光エレクトロニクスデバイスを実現させるカギとなる。これまで、フォトニック結晶共振器を利用したレーザーは、二次元構造のフォトニック結晶でしか実証されていない。しかし、光子を十分閉じ込めて、光子と物質との相互作用を制御するには、完全フォトニックバンドギャップを持つ三次元フォトニック結晶を使用しなければならない。我々は、三次元フォトニック結晶ナノ共振器でレーザー発振を初めて実現したことを示す。このレーザーは、これまでで最高のQ値(約38,500)を示す共振器モードと量子ドットとを結合することによって作製された。今回の成果によって、三次元フォトニック集積回路を実現するだけでなく、光子と電子の両方が三次元に閉じ込められるナノ共振器-単一量子ドット結合系における光-物質相互作用の物理的性質を調べる手段が得られる。

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