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分子イメージング・トゥルーカラー分光型光コヒーレンストモグラフィー

Nature Photonics 5, 12 doi: 10.1038/nphoton.2011.257

分子イメージングは、分子や細胞のレベルで疾病機序に関する貴重な知見が得られるため、医学分野においてきわめて重要な役割を担っている。この目的のため、さまざまな分子イメージング法が開発されてきたが、それぞれに長所と短所がある。例えば、蛍光イメージングは、マイクロメートルスケールの分解能を実現するが、侵入深さが浅く、外因性物質にほぼ限定される。今回我々は、新しい形態の分光型光コヒーレンストモグラフィーを利用した内因性発色団と外因性発色団の分子イメージングを実証する。我々の方法では、可視スペクトルを中心とする幅広いスペクトルバンド幅のレーザー光源を用いることによって、ヘモグロビン酸素濃度の簡易評価ができ、入手容易な吸収体によってコントラストが得られ、試料のトゥルーカラー表示が可能になる。しかも、三次元でマイクロメートルスケールのイメージングを行いながら、高いスペクトル忠実度が得られる。分子イメージング・トゥルーカラー分光型光コヒーレンストモグラフィー(METRiCS OCT)は、眼科、早期癌検出、低酸素や血管新生といった基本的疾病機序の解明など、多くの生物医学応用に重要な影響を及ぼす。

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