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発光太陽光集光器における再吸収損失を回避するための共鳴シフト

Nature Photonics 5, 11 doi: 10.1038/nphoton.2011.236

発光太陽光集光器(LSC)を用いることによって、太陽を追尾することなく太陽光を集める簡便な手段が得られる。LSCでは、低い周波数の光が吸収され、透明スラブの閉じ込めモードで再放出される。そこで、再放出された光はスラブ端に取り付けられた太陽電池に向かって導かれる。熱力学的極限では、100倍相当を超える集光比が可能である。しかし、実際のLSCでは、光伝搬損失(ほとんどが再吸収に起因する)によって、集光比が10程度までに制限される。今回我々は、一般的かつ全光学的な手法を導入し、「共鳴シフト」によってこの問題を克服する。つまり、二層共振器から放射されガラス基板へと進む指向性の鋭い光が戻り、跳ね返るごとに共振器と非共鳴相互作用する。これにより、端部へ向かう途中での再吸収損失が著しく減少する。我々は、この手法を用いて、いくつかの異なる発色団について無損失に近い伝搬を実証する。これにより、最終的には、類似する従来型LSCの 2倍以上の集光比が可能になる。

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