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共振器増強自発パラメトリック下方変換からの周波数無相関もつれ光子の生成と保存

Nature Photonics 5, 10 doi: 10.1038/nphoton.2011.213

光子もつれの生成と保存は、スケーラブルな線形光学量子計算(LOQC)を実現する要となる。最も広く用いられているもつれ光子源(自発パラメトリック下方変換(SPDC)光子源)は、そのまま保存に適しているわけではない。なぜなら、使用周波数帯域幅が、利用可能などの量子メモリーよりも著しく広いからである。この問題を改善するために、共振器増強狭帯域SPDC光子源が開発された。しかし、共振器によって増強された狭帯域もつれ光子の保存は、まだ実現されていない。また、もつれ光子間のスペクトル相関のために、実際にはスケーラブルなLOQCに役立たないものになりうる。今回我々は、共振器増強SPDC光子源からの周波数無相関狭帯域(5 MHz)もつれ光子の生成と保存について報告する。連続UVポンピングビームを短パルス化することによって、もつれ光子間の周波数相関が除去される。単一光子の偏光状態の保存と、ファイバー中を飛行する別の光子ともつれ合った光子の保存が実証されている。我々の研究は、共振器SPDCからの狭帯域もつれ光子と原子量子メモリーとの間の量子インターフェースを実証している。したがって、全光量子情報処理の実現のための重要な手段が得られる。

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